10分でわかる中小企業のためのDX
こんにちは。月曜日担当アドバイザーの丸山です。
昨今「DX(デジタルトランスフォーメーション)」という言葉をよく聞くようになってきました。そもそもDXとは何でしょうか?本コラムではDXについてポイントを絞って整理すると共に、中小企業がDXに取り組むコツを紹介していきたいと思います。
◆DXとは
経済産業省ではDXについて「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義しています。単にデジタルツールを導入するだけでなくデジタルを手段として、企業のビジネスモデル変革に繋げ、競合差別化を図る事がDXとなります。
◆DX導入ステップ
DX導入を進めるにはステップがあります。以下4つのステップを見てみましょう。
(1)アナログフロー(現状)
紙など、物理的なものを用いた業務フローです。下図では、取引先から営業が注文書を受領したら、紙の稟議書に注文書を添えて稟議に回しています。稟議書に各担当者が押印し決裁となったら、営業が紙の注文請書を取引先へ郵送納品手配となります。「紙」「手作業」がベースとなります。
(2)デジタイゼーション
紙で行ってきた業務プロセスの一部をデジタル化することです。下図では、取引先から営業が注文書を受領したら、PDF化してサーバーにアップしています。事務はそのPDFを稟議システムに添付して稟議に回します。稟議はペーパーレスで回り決済されます。
営業は注文請書をPDFで作成し、印刷せずにPDFのままメールで取引先へ送付します。下図では③~⑥でペーパーレス化が行われています。
(3)デジタライゼーション
業務の一部分を対象とするデジタイゼーションに対し、業務プロセス全体をデジタル化することです。下図では取引先から営業が注文書を受領し注文書をスキャンしてPDF化します。同時に、注文書PDFは自動で基幹システムに取り込まれて、そのまま承認システムに回され決裁されます。決裁されると自動で取引先へ「注文請書」がメール送信され、並行して事務が納品手配を行います。②~⑥までのフローが自動化されて主たる業務プロセス全体がデジタル化され効率化が図られています。
(4)デジタルトランスフォーメーション(DX)
デジタルを用いて業務や、組織、プロセス、企業文化を変革し、競争優位性を確立する事です。下図では、頻繁に注文が入る通常品はECで取引が完結されるように変わっています。ECというデジタル導入でビジネスモデル自体が変化しました。更に特注品は個別対応して手厚いフォローができるようになり企業としての競争力が増しています。
◆中小企業のDXとは?
DXは大企業では取り組めるかもしれませんが、中小企業ではハードルが高いと感じられます。そこで、中小企業の場合はまず(2)(3)から取り組む事を検討してはいかがでしょうか。そのためのコツを以下にお示しします。
・専門知識の要らないデジタルツールを活用
近年はプログラムの知識がなくても画面を見れば直感的に使えるデジタルツールが用意されています。会計、ホームページ作成、チラシ作成、顧客管理など、種類も多岐にわたります。こうしたツールを用いれば、ITの専門知識がある従業員がいなくてもデジタル化に着手する事ができます。また、安いツールは数百円から使用できます。自社で取り組みやすい分野から始めると良いでしょう。
・効率化が必要な業務を洗い出す
業務効率化とは、仕事を進めるプロセスから、ムリ(負荷が能力を上回っている状態)、ムダ(負荷が能力を下回っている状態)、ムラ(ムリとムダの両方が混在して時間によって現れる状況)を見つけて省くことで、非効率な業務を改善する事です。ムリ・ムダ・ムラが発生している業務を探して、デジタルに置き換えられないか検討してみましょう。
・アウトソーシングの活用
自社で抱えていると効率が悪い業務は外注へアウトソーシングすることも、業務プロセスを改善する一つの手です。データ入力のような単純作業から始まり、WEBサイトの運用、福利厚生、会計業務、営業、人材採用に至るまで様々な種類があります。デジタル化による業務プロセス改善がDXに向かう本筋ではありますが、デジタルに拘らず、まずは業務プロセスの改善を経験するという意味で、アウトソーシングを用いることは十分意味があると考えます。
以上述べたデジタル化~デジタライゼーションをまず進め、その後にDXに繋げていくというステップを踏むと取り組みやすいかと思います。
松戸市では、中小企業のデジタル化を支援する補助金を実施しています。ご相談はぜひビジまどまで!