利益を意識した事業をしていますか?

こんにちは。火曜日担当アドバイザー中島です。今回は「利益を意識した事業運営」について記載していきます。利益には粗利益・営業利益・経常利益等様々ありますが、今回は粗利益について考えていきます。
昨今は様々なモノの値上がりが続いており、皆様の事業でも仕入価格や製造コストが上がっているのではないでしょうか。その結果、「粗利益が少なくなり、経営に影響が出ている」という相談が増えているのは事実です。こういう状況だからこそ、利益を意識した事業運営が求められています。モノの値上がりは今後も続くことが考えられるため、継続的に対策を打つ必要があります。
すでにご存じだと思いますが、改めて粗利益に関する計算式を示します。
粗利益=売上―売上原価 粗利益率=粗利益÷売上
売上原価とは販売した商品やサービスに直接かかった経費のことです。例えば、小売業では仕入金額、飲食業では料理をつくる際の食材費等になります。
会社の売上原価・粗利益は決算書にありますので把握できます。決算書を確認して過去3年~5年程度の推移を確認してください。また、他企業はどの程度の粗利益率なのかは、日本政策金融公庫が公表している「小企業の経営指標調査」を参考にしてください。業種別の平均数値が示されています。
自社の過去と比較して粗利益率が大きく下がっている、または他企業と比較して粗利益率がかなり低い場合は何らか対策を考える必要があります。
対策の一例を以下に示します。ご自身の会社で最も適したものを選択してください。
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①仕入価格を下げる |
仕入先の変更や仕入するモノの変更を検討します。また、仕入するモノごとに条件の良い仕入先に変えることも考えられます。 |
| ②販売価格を上げる | 値上げに関しては売上減少につながる可能性もありますので、慎重さは必要です。ただし、値上げをしない場合は粗利益率低下になりますので、どちらを選択すべきか会社の状況によって判断します。 |
| ③粗利益率が高い商品・サービスの販売を増やす | 商品やサービス毎に粗利益率を把握する必要がありますが、それが把握できれば粗利益率の高い商品・サービスの販売を増やしていきます。 |
| ④ロス等を削減する | 商品や食材の廃棄が多い企業はすぐに実行すべきです。まずはロスが多い商品や食材を特定して、その原因を取り除くようにしてください。 |
粗利益は売上とは違い結果が見えにくいので、日々の粗利益を把握できる仕組みをつくって、粗利益が減少している状況にあれば、すぐにアクションを起こすことが大事です。決算書が出るのは年1回ですので、その結果を待っていたのでは手遅れになる場合もあります。
粗利益が減少しているが何から手を付けるべきか迷っている、日々の粗利益管理をどのようにすべきかわからない等がございましたら、「ビジまど」にご相談ください。
